とある放射線治療医の備忘目録

とある放射線治療医の覚書

乳がん患者においてBRCA 1/2遺伝子変異などの遺伝子変異が放射線治療後の治療成績へ与える影響は?

Chapman BV, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2021. PMID: 34582940

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

・マルチ遺伝子パネル検査が行われた乳がん患者を、BRCA1/2遺伝子変異陽性、BRCA 1/2以外の病原性の遺伝子変異陽性、病的遺伝子変異が検出されなかった患者、3群に分けて放射線治療後の治療成績の比較検討が行われました。
・3群間に治療後の治療成績に明らかな差は認められず、放射線治療に関連した毒性にも違いは認められませんでした。
・BRCA1/2などの遺伝子変異が認められた患者でも、標準的な術後放射線治療を行うことが推奨されます。

 

・マルチ遺伝子パネル検査(multigene panel testing)における生殖細胞系列変異(germline mutations)が乳がんに対する放射線治療関連の治療成績へ与える影響。
・後ろ向き研究、米国

<目的>
乳がん患者において、マルチ遺伝子パネル検査(multigene panel testing)を行うことにより生殖細胞系列変異(germline mutations)が検出されることが増加しています。
・病原性の変異が認められた患者に対する放射線治療の意味合いに関しての理解はまだ不十分で、これまでの病原性変異の研究は主にBRCA1 または BRCA2に限られていました。
・今回、遺伝子パネル検査が行われた乳がん患者において、アジュバント(術後)放射線治療が行われた患者の治療成績と毒性の評価を行いました。

<対象と方法>
・1995-2017年、乳がんに対し手術、乳房/胸壁(± 領域リンパ節)への放射線治療、マルチ遺伝子パネル検査が行われた臨床病期 I-III期の乳がん患者 286例を後ろ向きに解析した。
・患者を3群(BRCA 1/2遺伝子変異陽性、BRCA 1/2遺伝子以外の遺伝子の病原性変異陽性、病原性の遺伝子変異検出なし)に分け、全生存、局所領域再発、疾患特異的死亡、放射線治療関連毒性を評価しました。

<結果>
・病原性の遺伝子変異が25.2%の患者に認められた(BRCA 1/2 12.6%、BRCA 1/2以外の遺伝子の病原性変異 12.6%)
・BRCA 1/2遺伝子変異以外の主な病的遺伝子変異は、ATM、CHEK2、PALB2、CDH1、TP53、PTEN。
・経過観察期間(中央値)4.4年(95% CI 3.8-4.9)
・3群間に、全生存、局所領域再発、疾患特的死亡に統計学的な差異を認めなかった。
・急性期および晩期毒性は3群間で同様のものであった。

<結論>
・マルチ遺伝子パネル検査にて、病的遺伝子変異が存在する女性に対する放射線治療後の治療成績や治療に関連した毒性は、病的遺伝子変異の認められなかった患者と同様のもので、適応がある場合には標準的なアジュバント(術後)放射線治療を行うことが支持される。

<関連>

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早期非小細胞肺がんに対するCyberKnifeを用いた体幹部定位放射線治療

Abe T, et al. Jpn J Clin Oncol. 2021. PMID: 34580722

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

・末梢性の早期非小細胞肺がんに対するサイバーナイフ(CyberKnife)を用いた体幹部定位放射線治療(SBRT, stereotactic body radiotherapy)を行った患者の治療成績を評価した。
・2年局所制御率は100%、全生存率は92%で、症候性(Grade 2+)肺臓炎の発生を認めなかった。
・末梢性の早期非小細胞肺がんに対する体幹部定位放射線治療は安全で有効な治療法。

 

・病理学的に確認された早期非小細胞肺がんに対するCyberKnifeを用いた体幹部定位放射線治療
・後ろ向き研究、日本

<目的>
・末梢性の早期非小細胞肺がんに対する体幹部定位放射線治療(SBRT, stereotactic body radiotherapy)の適切な線量分割に関しては依然不明です。
・CyberKnifeを用いた、54Gy/3回による体幹部定位放射線治療を施行した、病理学的確認されたT1b-T2aN0M0 非小細胞肺がん 26例(年齢 [中央値] 76歳)を後ろ向きに解析しました。

<方法>
・54 Gy/3回の照射を肉眼的腫瘍体積(GTV)の99%をカバーするように処方した。

<結果>
・全例、肺野末梢の病変であった。
・胸壁からの距離の平均は 6.5 mm(0-32 mm)であった。
・病理組織:腺がん 18例、扁平上皮がん 7例、非小細胞肺がん 1例
・T病期:T1b 9例、T1c 14例、T2a 3例
・経過観察期間(中央値)24ヶ月(6-54ヶ月)
・累積2年局所制御割合 100%、無増悪生存割合 70%、全生存割合 92%。
・20例に放射線肺臓炎(Grade 1)を認めたものの、Grade 2 放射線肺臓炎の発症を認めなかった。

<結論>
・病理学的に確認された T1b-T2aN0M0 非小細胞肺がんに対するCyberKnifeを用いた体幹部定位放射線治療は安全で有効であった。
・これらの結果はさらに大規模なコホート研究および前向き経過観察にて確認される必要がある。

<関連>

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小児 中枢神経腫瘍/頭頸部腫瘍に対する放射線(± 化学療法)後の聴力障害

Keilty D, et al. J Clin Oncol. 2021. PMID: 34570616pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

・中枢神経腫瘍/頭頸部腫瘍に対し放射線治療(± 化学療法)が施行された患児の聴力への影響を評価した。
・蝸牛へ照射された放射線治療の線量や投与されたプラチナ製剤(シスプラチンやカルボプラチン)の用量が多いほど聴力障害の発生リスクが高く、5年以降にも聴力障害は増加していた。
・小児に対する放射線治療では、晩期の聴力障害リスクを低減するために、蝸牛への照射線量をできるだけ低く抑える必要がある。

 

・小児 中枢神経腫瘍/頭頸部腫瘍に対する放射線治療および化学療法後の聴力障害

<目的>
・小児の中枢神経腫瘍や頭頸部腫瘍に対する治療後の聴力障害(HL, hearing loss)は重篤な二次的影響です。
・今回の研究の目的は聴力障害の発生割合やリスク因子を評価することです。

<対象と方法>
・中枢神経腫瘍 または 頭頸部腫瘍に対し、放射線治療 ± 化学療法が行われた171例を評価した。
・International Society of Pediatric Oncology-Boston gradesにて、2,420回の聴力検査を施行した。

<結果>
・蝸牛の平均線量(odds ratio [OR] 1.04 per Gy, p<0.001)、放射線治療からの期間(OR 1.21 per year, p<0.001)、シスプラチン投与量(OR 1.48 per 100 mg/m2, p<0.001)、カルボプラチン投与量(OR 1.41 per 1000 mg/m2, p=0.002)が 聴力障害のInternational Society of Pediatric Oncology-Boston grade上昇と関連していた。
放射線治療とシスプラチン(interaction term p=0.53)、カルボプラチン(interaction term p=0.85)併用による相乗効果は認められなかった。
・蝸牛の平均線量が30 Gyを超えた場合には、5年時点での高周波数帯域(high-frequency , >4kHz)の聴力障害の累積発生割合は50%を超えた。
・全ての周波数帯域の聴力障害は、放射線治療後5年以降にも増加傾向がみられた。

<結論>
放射線治療および化学療法による治療が行われた小児では聴力障害が発生する頻度は高く、経時的に増加傾向が見られた。
・シスプラチンの投与量、カルボプラチンの投与および蝸牛の平均線量が聴力障害と関連していた。
・聴力障害を低減するため、蝸牛の平均線量を30Gy以下にすることを低減する。プラチナ製剤による化学療法が行われる場合には、蝸牛の平均線量を20-25 Gyまで低減することも考慮しても良いかもしれない。

 

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粘膜部悪性黒色腫に対する免疫チェックポイント阻害剤 放射線治療の追加は有用か?

Umeda Y, et al. Eur J Cancer. 2021. PMID: 34563991

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

・粘膜部悪性黒色腫に対し免疫チェックポイント阻害剤による治療が行われた患者において、放射線治療が有効性を改善するかを評価した。
・免疫チェックポイント阻害剤のみで治療された患者と比較して、免疫チェックポイント阻害剤+放射線治療の併用が行われた患者の無増悪生存や全生存の改善効果は認められなかった。
・免疫チェックポイント阻害剤に放射線治療を併用することにより、局所制御や症状の緩和効果はあるかもしれないが、生存期間の延長効果はない様子。

 

・粘膜部悪性黒色腫(mucosal melanoma)に対する抗PD-1抗体、抗PD-1抗体+抗CTLA4抗体 ± 放射線治療
・多施設共同後ろ向き研究、日本

<背景>
・皮膚の悪性黒色腫(メラノーマ)と比較して、粘膜部悪性黒色腫(mucosal melanoma)では免疫チェックポイント阻害剤(ICIs, immune checkpoint inhibitor)の有効性が低い。
放射線治療と免疫チェックポイント阻害剤との併用により粘膜部悪性黒色腫に対する有効性が改善するが、さらなる研究が必要。

<方法>
・225例の抗PD-1抗体 / 抗PD-1抗体+抗CTLA-4抗体により治療が行われた患者を後ろ向きに解析した。
放射線治療+抗PD-1抗体(PD-1+RT)115例、放射線治療+抗PD-L1抗体+抗CTLA4抗体(PD-1+CTLA4+RT)42例、抗PD-1抗体単独(PD-1単独)56例、抗PD-L1+抗CTLA4抗体(PD-1+CTLA4単独)12例。
・治療の有効性を客観的奏効率(ORR, objective response rate)と Kaplan-Meier解析による生存成績により評価を行った。

<結果>
・全身状態(ECOG PS)以外、PD-1群とPD-1+CTLA4群に有意な違いを認めなかった。
・PD-1単独群とPD-1+RT群の比較において、客観的奏効率(26% vs. 27%, p>0.099)、無増悪生存期間中央値(6.2ヶ月 vs. 6.8ヶ月, p=0.63)、全生存期間中央値 19.2ヶ月 vs. 23.1ヶ月(p=0.70)に有意差を認めなかった。
・PD-1+CTLA4単独群とPD-1+CTLA-4+RT群の比較において、客観的奏効率(28% vs. 25%, p=0.62)、無増悪生存期間中央値(5.8ヶ月 vs. 3.5ヶ月, p=0.21)、全生存期間中央値(31.7ヶ月 vs. 19.8ヶ月, p=0.79)に有意差を認めなかった。
・(Cox multivariate analysis)PD-1やPD-1+CTLA4へ放射線治療を追加することによる、無増悪生存や全生存改善効果を認めなかった。

<結論>
・進行期粘膜部悪性黒色腫MUM, mucocal melanoma)に対し、免疫チェックポイント阻害剤による治療が行われた患者において、放射線治療は局所制御を改善し、局所症状を改善する可能性はあるものの、生存成績の延長効果は認められなかった。

<関連>

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【STIMULI trial】小細胞肺がんに対する化学放射線療法後のニボルマブ/イピリムマブ vs. 経過観察

Peters S, et al. Ann Oncol. 2021. PMID: 34562610

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

・STIMULI試験では小細胞肺がんに対する化学放射線療法後のニボルマブ/イピリムマブによる地固め免疫療法と経過観察を比較した。
ニボルマブ/イピリムマブによる地固め療法による無増悪生存や全生存の改善効果は認められず、ニボルマブ/イピリムマブ治療群では重篤な有害事象が60%以上に認めた。
・有害事象に関連して、ニボルマブ/イピリムマブによる地固め免疫療法が早期に中止されることが多く、効果に影響を与えたかもしれない。

 

・限局型小細胞肺がんに対する化学放射線療法後のニボルマブ/イピリムマブ vs. 経過観察

・第2相ランダム化試験、ETOP/IFCT 4-12 STIMULI trial

 

<背景>
・限局型小細胞肺がんに対する標準治療は同時化学放射線療法と予防的全脳照射で、5年全生存率は25-33%程度。

 

<方法>
・STIMULIは第2相ランダム化試験で、化学放射線療法後の経過観察に対する、ニボルマブ/イピリムマブによる地固め療法の優越性を示すことを目的とした。
・地固め免疫療法:4サイクルのニボルマブ(1 mg/kg、3週ごと)+ イピリムマブ(3 mg/kg、3週ごと】、その後ニボルマブ単独治療(240 mg、2週ごと)を12ヶ月間まで。
・集積不良のため症例集積は早期中止された。

 

<結果>
・222例が登録され、153例がランダム化された(ニボルマブ/イピリムマブ群 78例、経過観察群 75例)
・ランダム化された患者の年齢(中央値)62歳、男性 60%、喫煙中 34%、喫煙歴あり 65%、PS 0 31%、PS 1 66%。
・経過観察期間(中央値)22.4ヶ月。
ニボルマブ/イピリムマブ群 40例に無増悪生存イベントを認め、無増悪生存期間(中央値)10.7ヶ月(95% CI 7.0-not estimatable)
・経過観察群 42例に無増悪生存イベントを認め、無増悪生存期間(中央値)14.5ヶ月(95% CI 8.2-not estimatable)
・無増悪生存のハザード比は1.02 (95% CI 0.66-1.58, 2-sided p=0.93)
・2021年6月まで経過観察をアップデートし、観察期間(中央値)35ヶ月
・全生存期間(中央値):ニボルマブ/イピリムマブ群 未到達、経過観察群 32.1ヶ月(95% CI 26.1-not estimatable)(ハザード比 0.95, 95% CI 0.59-1.52, p=0.82)
ニボルマブ/イピリムマブ群において、治療中止までの期間(中央値)1.7ヶ月。
・Grade 3+有害イベントがニボルマブ/イピリムマブ群 62%、経過観察群 25%に認められ、ニボルマブ/イピリムマブ群 4例、経過観察群 1例で致命的となった。

 

<結論>
・STIMULI試験において、限局型小細胞肺がんに対する化学放射線療法後のニボルマブ/イピリムマブによる地固め療法は主要評価項目である無増悪生存の改善を達成できなかった。
・毒性に関連しニボルマブ/イピリムマブの治療を早期に中止せざるをえなかったことが有効性に影響を与えた様子。

 

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副腎転移に対する体幹部定位放射線治療の有効性と安全性は?

Chen WC, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2020. PMID: 32001383

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

・副腎転移に対する体幹部定位放射線治療の有効性と安全性をシステマティックレビュー/メタアナリシスにより評価。
体幹部定位放射線治療後の局所制御率は1年82%、2年63%で、高線量の照射は良好な局所制御と強く関連しており、生物学的等効果線量(BED10)100Gyの照射では2年局所制御率80%以上が期待できる。
重篤な(Grade 3+)有害事象発生率は1.8%で、体幹部定位放射線治療の忍容性は良好。

 

・副腎転移に対する体幹部定位放射線治療
・システマティックレビュー/メタアナリシス。

<目的>
・副腎転移に対する体幹部定位放射線治療に関するシステマティックレビュー/メタアナリシスを行い、治療成績、治療の特徴、毒性を評価すること。

<対象と方法>
・Embase、Pubmed databaseにて、副腎転移に対する体幹部定位放射線治療に関する報告のシステマティックレビューを行った。

<結果>
・2009-2019年に報告された39研究、1,006例を解析した。
・経過観察期間(中央値)12ヶ月
・生物学的等効果線量(BED, biological equivalent dose)(BED10, alpha/beta = 10)(中央値)67 Gy
・全奏効率:54.6%(95% CI 46.5-62.5%)
・局所制御率:1年 82%(95% CI 74-88%)、2年 63%(95% CI 50-74%)
・全生存率:1年 66%(95% CI 57-74%)、2年 42%(95% CI 31-53%)
体幹部定位放射線治療の照射線量と1年および2年局所制御との強い関連が認められた。
体幹部定位放射線治療の照射線量は2年全生存率とも関連していた(p=0.03)。
・線量と局所制御の metaregressionに基づくと、1年局所制御率は、BED10 60Gy:70.5%、BED10 80Gy:84.8%、BED10 100Gy:92.9%。
・2年局所制御率は、BED10 60Gy:47.8%、BED10 80Gy:70.1%、BED10 100Gy:85.6%。
・Grade 3+毒性発生率は1.8%であった。

<結論>
・副腎転移に対する体幹部定位放射線治療後の1年局所制御率は高く、安全性は良好であった。
・線量増加は良好な局所制御と関連している様子。

<関連>

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高齢者食道がん 化学放射線療法 vs. 放射線治療単独

Xia X, et al. Front Oncol 2021. PMID: 34557416

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov

 

・高齢者(65歳以上)食道がんに対する化学放射線療法と放射線治療単独療法後の予後を、米国 SEER databaseを用いて比較した。
放射線治療単独と比較して、化学放射線療法後の全生存および食道がん特異的生存が良好であった。
・高齢者の食道がんであっても、放射線治療へ化学療法を追加することにより予後の改善が見込める様子。

 

 

・高齢者(65歳以上)食道がん;化学放射線療法 vs. 放射線治療単独
・Population based study (SEER database)

 

<背景>
・手術が行われない食道がんに対する主な治療は放射線治療(RT, radiotherapy)です。
・高齢者食道がん患者において、放射線治療へ化学療法を追加することにベネフィットがあるかに関しては議論があります。
・今回の研究の目的は、手術が行われなかった食道がん患者において、化学放射線療法と放射線治療単独の有効性を比較することです。

 

<方法>
・SEER(Surveillance, Epidemiology, and End Results)2000-2018年から、適格患者 7,101例を同定した。
放射線治療単独群と化学放射線療法群にグループ化して評価を行った。
・Propensity score matching(PSM)後、1:1の割合で、3020例の解析を行った。

 

<結果>
・PSM後、放射線治療単独群と化学放射線療法群の患者背景は同様のものであった。
・65歳以上の食道がん患者で、化学放射線療法後の3年全生存率 21.8%、3年食道がん特異的生存率 27.4%。
・化学放射線療法後の5年全生存率 12.7%、5年食道がん特異的生存率 19.8%。
・65歳以上の食道がんで、放射線治療単独後の3年全生存率 6.4%、3年食道がん特異的生存率 7.2%。
放射線治療単独後の5年全生存率 3.5%、5年食道がん特異的生存率 7.2%。
・患者を年齢に応じて5つのグループに分けて解析を行った(65-69歳、70-74歳、75-79歳、8-84歳、85歳以上)
・いずれの年齢グループにおいても、3年および5年全生存および食道がん特異的生存は化学放射線療法で良好であった(all p<0.05)
・関連する情報が得られず、両群間の毒性評価比較は不能であった。

 

<結論>
・手術が行われなかった高齢者食道がん患者において、放射線治療単独と比較して、化学放射線療法が施行された患者の全生存およびがん特異的生存が良好であった。
・高齢者食道がん患者において、放射線治療へ化学療法を追加することによる有意な予後の改善効果が示唆される。

 

<関連>

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