とある放射線治療医の備忘目録

とある放射線治療医の覚書

肝外胆管がん 手術後の放射線治療は有効か?? 【KROG 18-14】

Kim KJ, et al. Eur J Cancer. 2021. PMID: 34474218
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34474218/

 

・肝外胆管がんに対する術後(アジュバント放射線療法
・多施設共同後ろ向き研究、韓国、KROG 18-14

 

<目的>

・肝外胆管がんに対する治癒切除後の術後放射線療法の役割を評価すること

 

<方法>
・2000年1月-2015年12月、肝外胆管がんに対し治癒切除施行例 1475例を集積(韓国14施設)
・516例に対しては術後放射線治療が施行されており、959例に対しては術後放射線治療が行われていなかった

 

<結果>
・年齢(中央値)67歳
・リンパ節転移が482例(32.7%)に認められ、293例(19.9%)で切除断端陽性であった
・術後放射線治療が行われた患者では近位の病変、進行腫瘍、リンパ節転移陽性、神経周囲浸潤陽性、外科切除断端陽性例が多かった
・経過観察期間(中央値)36ヶ月
・211例に局所領域再発、307例に遠隔転移再発、322例に局所領域再発および遠隔転移再発が認められた
・年齢、腫瘍の部位、分化度、pT、pN、神経周囲浸潤、切除断端を因子として組み込んだ多変量解析において、術後放射線治療と良好な全生存と有意な関連性が認められた(HR 0.74, 95% CI 0.63-0.86, p<0.001)
・術後放射線治療施行群において、放射線治療単独群、同時化学放射線療法群、同時化学放射線療法+アジュバント化学療法に群分けを行った場合、同時化学放射線療法+アジュバント化学療法によるベネフィットが最も大きかった(HR 0.52, 95% CI 0.41-0.68

 

<結論>

・肝外胆管がんに対する外科的切除後、化学療法併用放射線治療による生存成績の改善効果が認められた
・同時化学療法+アジュバント化学療法によるベネフィットが最も大きかったことから、化学療法単独と同時化学放射線療法+アジュバント化学療法を比較するランダム化比較試験が必要

 

 

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