限局性前立腺がんに対する高線量率小線源治療(HDR-BT)と外照射の併用療法
Ishiyama H, et al. Brachytherapy. 2017. PMID: 28222973
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28222973/
・限局性前立腺がんに対する高線量率小線源治療と外照射(± アンドロゲン抑制療法)の併用療法
・多施設後ろ向き調査、日本
<目的>
・前立腺がんに対する外照射(EBRT, external beam radiotherapy)と高線量率小線源治療(HDR-BT, high-dose-rate brachytherapy)の併用療法の治療成績とリスク因子を報告すること
<対象と方法>
・多施設共同後ろ向き解析
・16施設、3424例を解析
・1/3の患者(27.7%)ではネオアジュバントのみアンドロゲン抑制療法が施行されており、およそ半数(49.5%)の患者ではネオアジュバントおよびアジュバントでアンドロゲン抑制療法が施行されていた
・ネオアジュバントアンドロゲン抑制療法の平均期間:8.6ヶ月、アジュバントアンドロゲン抑制療法の平均期間:27.9ヶ月
・生化学的(PSA)再発はPhoenix ASTRO consensusを用いて定義した
<結果>
・経過観察期間(中央値):66ヶ月
・10年生化学的制御率:81.4%、臨床的無病生存率 81.0%、疾患得的生存率 97.2%、全生存率 85.6%
・ネオアジュバント および アジュバントのアンドロゲン抑制療法は生化学的制御、臨床的無病生存、全生存の有意な予後良好因子であった
・骨盤照射は疾患特異的生存および全生存の予後不良因子であった
・10年累積晩期毒性(Grade 2+)発生率:生殖泌尿器毒性 26.8%、消化管毒性 4.1%
・ネオアジュバント および アジュバントでのアンドロゲン抑制療法は、生殖器泌尿器毒性および消化管毒性の予防に関する予後良好因子であった
<結論>
・限局性前立腺がんに対する外部放射線治療と高線量率小線源治療の併用療法は有効で安全な治療であった
・高線量率小線源治療を行う場合に長期のアンドロゲン抑制療法の併用は必要な様子で、晩期毒性を抑制するのに有用かもしれない
・今回の検討結果からは、骨盤照射は全生存の予後不良因である可能性が示唆された
<関連>