とある放射線治療医の備忘目録

とある放射線治療医の覚書

食道がんの術後局所再発 術後化学放射線療法の有効性と安全性は??

Chen B, et al. Oncologist. 2020. PMID: 31880371
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31880371/

 

食道がんの術後局所領域再発に対する化学放射線療法
・シスプラチン/5-FUの毎週投与併用
・第2相試験、中国

 

<背景>
・食道扁平上皮がん(ESCC, esophageal squamous cell carcinoma)の術後局所領域再発では、同時化学放射線治療は治療法の1つ。
・しかしながら、3週に1回の投与では毒性の発生率が高い。
・今回の研究の目的は、食道扁平上皮がんの術後局所領域再発に対するシスプラチン/5-FUの毎週投与併用による同時化学放射線療法の有効性と毒性の評価を行うこと。

 

<対象と方法>
・シスプラチン(25 mg/m2, day 1)、5-FU(1176 mg/m2, days 1-3)、毎週投与と放射線治療(50.4-60 Gy)を同時併用した。
・主要評価項目:客観的奏効率(ORR, objective response rate)

 

<結果>
・2013年1月-2015年12月、48例が登録された。
・客観的奏効率:68.8%(完全奏効 12例、部分奏効 21例)、病勢制御率:68.8%
・治療に関連したGrade 4毒性の発生を認めなかった。
・血液毒性(Grade 3)が8例(17%)に認められた。
・嘔吐/食道炎(Grade 3)がそれぞれ4例(8%)に認められた。
・無増悪生存期間(中央値)13.9ヶ月、全生存期間(中央値)27.4ヶ月

 

<結論>
・食道扁平上皮がんの術後局所領域再発に対する、シスプラチン/5-FU 毎週投与併用による同時化学放射線療法5の奏効率は有望で、毒性の改善が見られた。

 

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