前立腺がんに対する手術後の少数骨盤内リンパ節転移 体幹部定位放射線治療後の再発形式
Francolini G, et al. Clin Oncol (R Coll Radiol). 2021. PMID: 34598843
・前立腺がんに対する手術後の少数骨盤内リンパ節転移に対する体幹部定位放射線治療が行われた患者の再発形式の解析を行った。
・前立腺床の再発は約8%、リンパ節転移および遠隔転移が約20%、リンパ節転移 または 遠隔転移が約30%に認められた。
・約45%の患者に対しては再度の体幹部定位放射線治療によるマネージメントが可能であった。
・前立腺がん、骨盤リンパ節転移に対する体幹部定位放射線治療(SBRT, stereotactic body radiotherapy)後の再発形式。
・後ろ向き研究、イタリア。
<目的>
・骨盤リンパ節に少数再発が認められた場合、標準的に推奨される治療は確立されていない。
・救済治療の一つとしてリンパ節転移に対する体幹部定位放射線治療(SBRT, stereotactic body radiotherapy)が治療選択肢となりうる。
・今回、根治的前立腺全摘除術後の少数骨盤内リンパ節転移に対し体幹部定位放射線治療が施行された患者を解析し、アンドロゲン抑制療法回避生存(androgen deprivation therapy-free survival)を解析した。
<対象と方法>
・骨盤内少数リンパ節転移に対し体幹部定位放射線治療が施行された93例をレビューした。
・組み入れ基準:前立腺全摘術後に生化学的(PSA)再発し、画像にて骨盤内リンパ節に異時性の3個以下のリンパ節転移が認められたkなジャ。
・全ての病変に対し体幹部定位放射線治療が施行されていた。
・同時ホルモン療法(アンドロゲン抑制療法)の併用を許容した。
<結果>
・経過観察期間(中央値)20ヶ月(IQR 11-41ヶ月)
・体幹部定位放射線治療後、57例に画像的に再発が認められ、無病生存期間(中央値)は15ヶ月(95% CI 9-24)であった。
・同時ホルモン療法が20例(21.5%)に対し行われていた。
・全体で、8例(8.6%)は前立腺床のみの再発、21例(22.6%)は骨盤リンパ節と遠隔転移再発、28例(30.1%)は骨盤リンパ節 または 遠隔転移再発を認めた。
・ホルモン療法(アンドロゲン抑制療法)回避生存期間(中央値)は未到達。
・同時ホルモン療法、診断時のInternational Society for Urologic Pathology pattern、再発までの期間(<12ヶ月)、再発時のPSA値(<1.10 ng/mL)、Prostate-specific membrane stagingと無病生存との有意な関連を認めなかった。
・再発後、42例(45%)に対しては再度の体幹部定位放射線治療が施行されていた。
<結論>
・前立腺がんに対する前立腺全摘除術後の少数骨盤内リンパ節転移に対する体幹部定位放射線治療後の無病生存、ホルモン療法回避生存は有望な結果であった。
・前立腺床からの再発は比較的少なく、前立腺床に対する局所治療は安全に回避可能であることが示唆された。
・一定の患者では再度の体幹部定位放射線治療によるマネージメントが可能であった。
<関連>
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