有害事象/放射線肺臓炎/デュルバルマブ
Wang Y et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2022. PMID 34963558
・III期非小細胞肺がんに対する化学放射線療法とデュルバルマブによる地固め療法
・システマティックレビュー/メタアナリシス
・対象:13研究、1,885例
・肺臓炎発生率:35%、肺臓炎(G3+)発生率:6%
・肺臓炎(any grade)の発生率は高齢(>65歳)(p=.008)やアジアからの報告(p=0.017)で高く、expanded access program関連の研究では低かった(p=0.024)
Park CK et al. J Thorac Oncol. 2023. PMID 37085032
・III期非小細胞肺がんに対する化学放射線療法とデュルバルマブによる免疫療法
・PACIFIC-KR、韓国
・157例を登録、経過観察期間(中央値):19.1ヶ月
・PD-L1高発現(>50%)の患者で無増悪生存が良好(p=0.043)、ステロイド治療を必要とする放射線肺臓炎の発生を認めた患者で無増悪生存が不良(p=0.036)。
・肺臓炎:36%、ステロイド治療を要する肺臓炎:27%、免疫関連有害事象:34%
・デュルバルマブによる地固め療法を開始する前の単球-リンパ球比が高い患者でステロイド治療を要する放射線肺臓炎(OR 44.76, p<0.001)や免疫関連有害事象(OR 2.85, p=0.011)の発生リスクが高かった
Atlan M et al. Clin Oncol (R Coll Radiol). 2023. PMID 37507279
・局所進行非小細胞肺がんに対する化学放射線療法と免疫チェックポイント阻害薬による地固め療法に伴う肺臓炎
・後ろ向き研究、米国
・対象:140例、局所進行肺がんに対し同時化学放射線療法および免疫チェックポイント阻害薬投与例
・累積肺臓炎(G2+)発生率:23%
・多変量解析:平均肺線量(HR 1.14 per Gy)、間質性肺疾患(HR 3.8)が肺臓炎リスク上昇と関連
【デュルバルマブ投与のタイミング】
Yang Z et al. BMC Cancer. 2023. PMID 37817073
・局所進行非小細胞肺がんに対する化学放射線療法とデュルバルマブによる地固め療法に伴う肺臓炎
・デュルバルマブ投与タイミングと肺臓炎リスク
・システマティックレビュー/メタアナリシス
・9研究、2,560例を組み入れ解析
・肺臓炎(G3+)発生率:5.4%
・放射線治療終了からデュルバルマブ投与開始までの期間が42日以内の肺臓炎(G3+)発生率:4.1%、1年無増悪生存率:61%
<結論>放射線治療終了からデュルバルマブ投与開始までの期間が42日以内の場合、肺臓炎の発生リスクの上昇や無増悪生存の悪化はなく、治療間隔が短くても肺臓炎の発生リスクに有害な影響はない様子。