とある放射線治療医の備忘目録

とある放射線治療医の覚書

非小細胞肺がん、脳転移に対する放射線治療とPD-1/PD-L1阻害薬併用シーケンス


 

Yu Y et al. J Neurooncol. 2023. PMID 37848757

・非小細胞肺がん、脳転移。PD-1/PD-L1阻害薬と放射線治療の併用シーケンスと治療成績

・後ろ向き研究、中国

・RT2週以前にICI投与群、同時併用群、RT後2週以降にICI投与の治療成績を比較

・対象:73例、経過観察期間(中央値)14ヶ月

・RT2週以前にICIが投与された患者では、頭蓋内の局所無増悪生存、遠隔無増悪生存が不良で、全生存も不良

・メタアナリシスを行い、合計4研究、254例を組み入れ解析

・同時併用と比較して、RTの2週以前にICIが投与された患者で頭蓋内遠隔無増悪生存(HR 0.21, SS)、全生存(HR 0.42, SS)が不良

・RT後2週以降にICIが投与された患者群と比較して、RTの2週以前にICIが投与された患者で頭蓋内無増悪生存(HR 0.21, SS)、全生存(HR 0.32, SS)が不良

・頭蓋内の全奏功率は、放射線治療とICI投与の期間が長い場合悪化し、RTとICI投与の間隔が7日以内で全奏効率が最も良好な結果

<結論>非小細胞肺がん患者において、ICI投与から放射線治療までの期間が長い患者で、頭蓋内局所無増悪生存、頭蓋内遠隔無増悪生存、全生存が不良。放射線治療とICI投与の期間が短い場合、奏効率が高かった。