大きな（>5 cm）肺がんに対する体幹部定位放射線治療の有効性と安全性

Woody NM, et al. Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2015. PMID: 25841625
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25841625/

・5cmを超える非小細胞肺がんに対する体幹部定位放射線治療（SBRT, stereotactic body radiotherapy）
・後ろ向き研究、米国

＜目的＞
・今回の研究の目的は、リンパ節転移陰性で、5 cmを超える医学的に外科手術不能な非小細胞肺がんに対し体幹部定位放射線治療が行われた患者の治療成績を評価することです

＜結果＞
・2003年12月-2014年7月、40例が研究のクライテリアに合致した
・経過観察期間（中央値）10.8ヵ月（範囲：0.4-70.3ヵ月）
・年齢（中央値）76歳、Body mass index（中央値）24.3、Karnofsky performance status（中央値）80、Charlson comorbidity index score（中央値）2
・1秒間の努力呼気量（中央値）1.41 L、拡散能（DLCO, diffusion capacity）（中央値）47% of predicted
・腫瘍サイズ（中央値）5.6 cm（範囲 5.1-10 cm）
・照射線量（中央値） 50 Gy（範囲: 30-60 Gy）/5回（範囲: 3-10回）
・18か月時点での局所制御率 91.2%、局所領域制御率 64.4%、無病生存率 34.6%、全生存率 59.7%
・遠隔転移再発が主な（32.5%）再発形式であった
・3例（7.5%）にGrade 3以上の毒性を認めた
・治療後、1秒間の努力呼気量の平均に有意な低下は認められたなかった（p=0.51）、一方で拡散能には低下が認められた（absolute 6.5% reduction, p=0.03）