とある放射線治療医の備忘目録

とある放射線治療医の覚書

術前化学放射線療法後に外科的切除が行われた食道がん/食道胃接合部がん;ニボルマブによる術後免疫療法

Kelly RJ et al. N Engl J Med. 2021. PMID: 33789008

 

・食道がんに対する外科的外科的手術後のアジュバント治療;ニボルマブ vs. プラセボ
・ランダム化試験、CheckMate 577

 

<対象と方法>
・対象:術前化学放射線療法後に外科的手術(R0切除)が行われたII-III期食道がん/食道胃接合部がんで病理学的腫瘍残存あり
・(2:1)の割合でニボルマブ投与群(240 mg、2週ごと 16週間投与後、480 mgを4週ごと)とプラセボ投与群にランダム化;投与期間は最大1年
・primary endpoint: 無病生存(disease-free survival)

 

<結果>
・経過観察期間(中央値)24.4ヶ月、ニボルマブ群 532例、プラセボ群 262例
・無病生存期間(中央値)ニボルマブ群 22.4ヶ月(95% CI 16.6-34.0)、プラセボ群 11.0ヶ月(95% CI 8.3-14.3)(HR 0.69; 96.4% CI, 0.56-0.86; p<0.001)
・医師により治療薬に関連すると考えられた有害イベント(Grade 3-4):ニボルマブ群 13%、プラセボ群 6%
・有害イベントによる試験薬の中止:ニボルマブ 9%、プラセボ 3%

 

<結論>術前(ネオアジュバント)化学放射線療法後に外科的切除が行われた食道がん/食道胃接合部がんにおいて、術後にニボルマブが投与された患者ではプラセボが投与された患者と比較して有意に無病生存が良好であった

 

(関連)

食道がん>術前化学放射線療法 – とある放射線治療医の備忘目録