食道がん;手術単独 vs. 術前化学放射線療法(CROSS 10年成績)
CROSS. Eyck BM, et al. J Clin Oncol. 2021. PMID: 33891478
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33891478/
・ランダム化試験、CROSS trial(2004-2008年)、10年成績
・対象:366例;術前化学放射線療法(カルボプラチン/パクリタキセル 毎週投与、5サイクル、41.4Gy/23回)施行群と手術単独群
<結果>
・経過観察期間(中央値)147ヶ月
・術前化学放射線療法群で全生存が良好であった(HR 0.70, 95% CI 0.55-0.89)
・術前化学放射線療法の全生存への影響は時間依存性ではなかった(p=0.73)
・ランドマーク解析からは、術前化学放射線療法の影響は10年の経過観察時点まで認められた
・10年全生存におけるベネフィットは13%(38% vs. 25%)
・術前化学放射線療法により、食道がんによる死亡リスクの減少(HR 0.60, 95% CI 0.46-0.80)が認められた
・他の原因での死亡リスクは両群で同等であった(HR 1.17, 95% CI 0.68-1.99)
・術前化学放射線療法による、孤立性局所領域再発(HR 0.40, 95% CI 0.21-0.72)、同時性の局所領域および遠隔再発(HR 0.43, 95% CI 0.26-0.72)の減少効果が認められた
・孤立性の遠隔再発に関しては両群で同等であった(HR 0.76, 95% CI 0.52-1.13)
<結論>局所進行切除可能食道がんに対する、手術単独と比較した、CROSS regimenによる術前化学放射線療法によるベネフィットは少なくとも10年間認められた
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