とある放射線治療医の備忘目録

とある放射線治療医の覚書

早期肺がんに対する体幹部定位放射線治療 有効性と安全性は??

Samper Ots PM, et al. Clin Transl Oncol. 2021. PMID: 34487307
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34487307/

 

・早期非小細胞肺がんに対する体幹部定位放射線治療
・多施設共同後ろ向き研究、スペイン(Spanish Radiation Oncology Society)

 

<目的>
・医学的に外科手術不能または手術を拒否した早期非小細胞肺がんに対する標準治療は体幹部定位放射線治療(SBRT, stereotactic body radiotherapy)となっている
・早期非小細胞肺がんに対する初期治療としての体幹部定位放射線治療の有効性と安全生を評価した

 

<対象と方法>
・多施設共同後ろ向き研究
・スペイン18施設にて体幹部定位放射線治療にて治療が行われた397例(416病変)を解析した
・83.2%は男性、年齢(中央値)は74.4歳であった
・94.4%は医学的に外科手術不能な患者であった
・病理学的診断が54.6%のkなジャで得られていた

 

<結果>
・53.6%の患者で完全奏効が得られており、有意な予後因子は、標準的なCT計画(p=0.014)および4D cone beam CT(p=0.000)であった
・急性期および晩期毒性(grade 3)が1.2%の患者で認められた
・経過観察期間(中央値)30ヶ月
・局所再発が9.6%、リンパ節再発が12.8%、遠隔再発が16.6%、異なる肺腫瘍再発が11.5%に認められた
・完全奏効が得られた患者では局所再発(p=0.012)および遠隔転移(p=0.001)が少なかった
・局所無再発生存率:88.7%、全生存率:75.7%、肺がん特異的生存率:92.7%、無病生存率:78.7%

 

<結論>
・外科手術が適さない早期肺がんに対する体幹部定位放射線治療は有効で忍容性の高い治療法であった
・局所および遠隔再発の重要な予後因子は完全奏効で、完全奏効はCT計画および画像誘導放射線治療の方法に依存性していた

 

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