とある放射線治療医の備忘目録

とある放射線治療医の覚書

乳がん脳転移の治療と予後

Gao YK, et al. Oncologist. 2021. PMID: 34506676
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34506676/

 

・症候性/無症候性 乳がん脳転移に対する治療法と治療成績
・後ろ向き研究、カナダ

 

<対象と方法>
・2008-2018年、18歳以上の女性で、乳がん脳転移に対し治療(手術、全脳照射または定位手術的照射 [SRS])が施行された患者を後ろ向きに解析した。
・他の悪性疾患の既往のある患者や脳転移の発生時期が不明であった患者は解析から除外した。

 

結果>
・683例のうち、153例(22.4%)はトリプルネガティブ乳がん(TNBC)、188例(27.5%)はHER2陽性(HER2+)、246例(36.0%)はホルモン受容体陽性/HER2陰性、61例(13.3%)はサブタイプ不明であった。
・多くの患者に対しては初期治療として全脳照射(459例, 67.2%)または定位手術的照射(SRS)(126例、18.4%)が施行されていた
・脳転移の無増悪生存期間(中央値)4.1ヶ月、全生存期間(中央値)5.1ヶ月
・高齢者(>60歳)、脳転移の診断時に神経症状がある患者、初期治療として全脳照射が行われた患者、HER2サブタイプで全生存が不良であった

 

<結論>
乳がん脳転移患者において、定位手術的照射が行われても、依然として予後は不良であった。

 

<関連>

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